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レポート

「カルトの若者」瓜生崇さん|第3期 思春期・若者支援コーディネーター養成研修会

「思春期・若者支援コーディネーター養成研修会」は僧侶・寺族を対象として、思春期・若者の生きづらさについて理解を深める研修です。

今回の講師は、カルト問題についてご活躍の瓜生 崇(うりう たかし)さんです。瓜生さんは住職をしながら、カルト宗教に入信した人の脱会支援をされています。(講義実施日:2021年2月17日)

本記事ではスタッフの山上 (やまがみ) が、受講して印象深かった気づきや学びをレポートします。


【印象に残った講義内容】

カルト教団の特徴

①偽装勧誘
②教祖への依存と異義に対する厳しい態度
③社会的問題を起こすこと


①今の若者への偽装勧誘はweb

キャンパス内で勧誘する姿は今は見られず、webで正体を明かさずあらゆる入り口を設けるのが特徴です。
学生団体・就活セミナー・スポーツサークル・人類の問題などを掲げて、SNSで質問に応じたり相談に乗ったりする
 →オンラインセミナーに誘う
 →個別に指導する
 →教団に勧誘する


②教祖は魅力的

悩みに献身的に対応したり、すべてをなげうって真理に向かって打ち込んでいる姿は、道を求めている人にとってとても魅力的です。人間の根源的な問題に向き合っていくような人が教団に入っていきます。教祖の教義に順って真理に向かう道を歩み出すと居場所が与えられ、役割が与えられ、仲間が居ることを知り、活躍していくことに充実感の中で生活します。
教祖の教義は絶対的で、ちょっとでも意見が外れると仲間はずれになったりしますから、異義を言いにくくなります。


③教祖・教義・教団に献身的に没入することが賛美されると、家族などの社会生活を捨てたり、経済的に生活が成り立たなくなったりします。

また、閉じた教団の中では理念に合わない者がいじめられたり人権侵害が起こったりします。さらに人を殺すことが正しいと判断されるような状態に陥ることもあります。
身近な人がカルトに引き込まれそうになっている状況と出会ったら、状況を教えて差し上げましょう。自分の力ではどうにもならないと感じたら専門家に相談するかつないで差し上げてください。


【感じたこと】

①に関して瓜生さんは「今の真宗教団は宗教色を薄めようとしている」と指摘されています。疫病のおかげでwebが急発達し、どストレートにご法義を発信する方も増えているように感じます。お寺や僧侶はご本願の活動をすればよいと思っています。またご本願に基軸のない活動はお寺や教団でしなくていいと思っています。逆にご本願に腹を据えたら無限にありとあらゆる活動が展開できるとも感じています

②に関しては、どの教団も持っている特徴かも知れないと思いました。信一念釈を無二心を中心に教義形成している方や、現生で往生や還相を味わっている人と出会ったらどういう態度を取ろうか悩みます。

③のような問題行動は見えにくくなっているように思えます。鋭い感受性が必要だなぁと思いました。






次回の「思春期・若者支援コーディネーター養成研修会」は、2022年10月からスタートします。オンライン講座を中心にしながら、本願寺にて2回のスクーリングを実施します。現在申込み受付中ですので、ご関心のある方は下記より詳細をご覧ください。一緒に学び合える仲間と出会えることを楽しみにしています。

第4期 思春期・若者支援コーディネーター養成研修会 募集





【講師】瓜生崇(うりう たかし)

1974年東京都生まれ。電気通信大中退。浄土真宗親鸞会講師、システムエンジニアを経て、2011年から真宗大谷派玄照寺(滋賀県東近江市)住職。住職として浄土真宗の伝道活動をし、10年以上、カルト宗教に入信した人の脱会支援やそのご家族の相談を受けている。響流書房という、仏教書の電子出版事業、浄土真宗の法話案内というウェブサイトを制作運営、Youtubeチャンネルで法話配信をしている。
著書『なぜ人はカルトに惹かれるのか』(法蔵館)など多数。




【執筆者】山上 正尊(やまがみ まさたか)

1970年大阪府生まれ。浄土真宗本願寺派旭照寺(大阪府堺市)住職。行信文教文化研究所研究員。輔教。浄土真宗本願寺派子ども若者ご縁づくり推進委員。





【研修情報】

思春期・若者支援コーディネーター養成研修会
主催:浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁づくり推進室「思春期・若者支援部会」
お問い合わせ:goen@hongwanji.or.jp
SNS情報:子ども・若者ご縁づくりFacebook

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