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レポート

「自死・死にたい気持ちとその対応」霍野廣由さん|第3期 思春期・若者支援コーディネーター養成研修会

「思春期・若者支援コーディネーター養成研修会」は僧侶・寺族を対象として、思春期・若者の生きづらさについて理解を深める研修です。

今回の講師は、NPO法人京都自死・自殺相談センター副代表/浄土真宗本願寺派僧侶の霍野廣由(つるの こうゆう)さんです。(講義実施日:2021/7/7)

本記事ではスタッフの山上 (やまがみ) が、受講して印象深かった講義内容と感じたことをレポートします。



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(講師:霍野さん)


【印象に残った講義内容】

Sottoについて

認定NPO法人京都自死・自殺相談センター「Sotto」は、死にたいほどの悩みを抱える方のために電話相談・メール相談・居場所づくりの活動をしておられます。場所は本願寺の向かいで浄土真宗本願寺派総合研究所の一室です。その活動理念は「自死を減らそう」とか「自死の善悪を問う」とかではなく、「ひとりぼっちにしない」というのがハッとさせられました。私たちは競争社会の中で自分を評価されて生きています。勝って活躍できる人もいますが、弱音を吐けない状況も作っています。そこにホッとできる場・死にたいほどの苦悩を受け取ってもらえる場が必要です。その一躍を担おうとするのがSottoの活動です。そのために様々な立場や業種の方々と輪になって、連なって「死にたい人」をひとりぼっちにしないように活動しています。

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(講義のスライドより)


スクリーンショット+(49) (1).png(講義のスライドより)


今日の研修は

Sottoのボランティアメンバーになる研修に「電話相談のロールプレイ」というカリキュラムがありますので、これをグループに分かれて体験していただくというものでした。

 グループ内での役割は

   相談する人(コーラー)
   相談される人(メンバー)
   観察者(オブザーバー)
   進行(ファシリテーター)

を分担します。相談する人(コーラー)はSottoのボランティアさん7人が受け持ってくださり、他の役割を研修生が体験しました。

相談の電話のやりとりをしばらくした後、振り返りの時間を持ちました。相談する側される側それぞれがどんなことを感じたか、それを観察していた人が気付いたことを話し合いました。「死にたいと思っている人に、その思いを肯定して話を聞くことは、死ぬことを勧めていることにならないだろうか」などという問いが生まれたり、気付かされたことなどを共有しました。今後の活動に生かせたらいいなぁと思いました。


【感じたこと】

相談される側になるならば、聞く力を養う訓練を努力し続け、スキルアップしていかないと、安易な言葉で相談者を傷つける危険性を感じました。






次回の「思春期・若者支援コーディネーター養成研修会」は、2022年10月からスタートします。オンライン講座を中心にしながら、本願寺にて2回のスクーリングを実施します。現在申込み受付中ですので、ご関心のある方は下記より詳細をご覧ください。一緒に学び合える仲間と出会えることを楽しみにしています。

第4期 思春期・若者支援コーディネーター養成研修会 募集





【講師】霍野 廣由(つるの こうゆう)

福岡県築上郡にある、浄土真宗本願寺派・覚円寺の副住職。大学在学時に、自死・自殺や終末医療、高齢者福祉の活動に携わる。大学院を修了し、認定NPO法人京都自死・自殺相談センターに就職、現在は事務局長を務める。相愛大学非常勤講師。浄土真宗本願寺派 子ども若者ご縁づくり推進室 委員。



【執筆者】山上 正尊(やまがみ まさたか)

1970年大阪府生まれ。浄土真宗本願寺派旭照寺(大阪府堺市)住職。行信文教文化研究所研究員。輔教。浄土真宗本願寺派子ども若者ご縁づくり推進委員。





【研修情報】

思春期・若者支援コーディネーター養成研修会
主催:浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁づくり推進室「思春期・若者支援部会」
お問い合わせ:goen@hongwanji.or.jp
SNS情報:子ども・若者ご縁づくりFacebook

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