レポート

チャレンジへの期待と不安|寺院伴走支援レポート04

寺院伴走支援事業は、これまで「スクール・ナーランダ」で培ったノウハウを活かしつつ、お寺の魅力を最大限に引き出すため、日々お寺の活性化に取り組む当室「若者ご縁づくり部会」の委員が支援を行い、ご住職様をはじめ、寺族・門信徒の皆様と共に企画運営を行います。

これまでのスクール・ナーランダの様子はこちら!
▶︎現代版寺子屋「スクール・ナーランダ vol.1 京都」の様子はこちら

▶︎現代版寺子屋「スクール・ナーランダ vol.6 山口」の様子はこちら

今回は伴走寺院として決まった大阪府堺市の正覚寺さまに伴走メンバーが訪問し、会場や周辺の視察を行うとともに、寺族やご門徒の方々と意見交換しました。

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今回は、伴走メンバーで福岡市博多区・西林寺の安武御住職と事務局とで正覚寺さまに伺いました。正覚寺さまには副住職の橘堂晃一さんと、ご応募いただいた橘堂麻美さん、並びにご門徒の方々にお集まりいただきました。

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本伴走支援プロジェクトの趣旨説明をした後、ご門徒の方々からお寺の現状についてお話を聞きました。

  • 世代の繋がりが途切れている面はあるが、お寺周辺は2世帯の家庭がまだ残っている。そのつながりを大切にしたい。
  • 若い人たちにお寺に足を運んでもらいたい。大阪市内までも交通の便もよく、30代40代の子育て世代も多く住んでいる。小学生の子どもがお寺に来ると大人も一緒に来てもらえるのではないか。
  • 子どもが小さいと、親世代はたとえ仏教やお寺に興味あってもお寺にお参りに来るのは難しい。親子で一緒に参加できるものであれば、多くの方に関心をもってもらえるかもしれない。
  • 子育て世代だと育児に悩み、孤独を感じている人もいるかもしれない。心安らぐお寺があることを知ってほしい。

そのような想いを聞くなかで、伴走メンバーの安武さんから早速アイデアが出てきました。

  • 今回は、普段お寺に来ていただけないような 30代40代の方々にもお参りいただけるようチャレンジしてみるのはどうか。これまでお寺を開くために様々に事業を展開してこられた正覚寺さまとご門徒の皆さまなら実現できると思う。
  • 開催時期を2月頃と想定しており、お寺には仏舎利があることから涅槃会に関連して、稚児行列なども開催できるのではないか。しかし、子ども中心で行事を開催すると親はただ付いてくるだけの感覚となってしまうので、親世代の方々にも興味をもってもらえるような仕掛けを考えてみたい。
  • まずは、運営に協力してくださる20〜40代の方々を集め、そのつながりで、若い世代に呼びかけてみるのが良いと思う。ご門徒のお子さんやお孫さんたちに協力いただけると面白い展開になりそう。

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最後に橘堂麻美さんより「これまで、子どもと高齢者向けのイベントしか経験しておらず、20代から40代へのアプローチは思いつかなかった。宗派が一緒になって考えてくれるのであれば、若者世代にも挑戦してみたい。」とお話をいただきました。

あとがき:

正覚寺さまにおいては子どもを対象に、花まつりや初参式、また大きな法要の際には稚児行列等を実施されているため、ご門徒の方々も行事を行うことについては前向きにご協力いただける印象でした。

ただ、若者に向けた取り組みを実施した経験がないため、お寺と若者がどのように繋がるのかを不安に感じておられました。お話をする中で「私たちの子どもや孫にも、お寺とのご縁を繋いでもらいたい」と話され、本事業への期待を感じます。

これまでのスクールナーランダは若者のみに焦点をあて開催していましたが、一般寺院の開催については、若者を取り巻く環境(家族等)や地域性をも考慮し、内容を検討していかなければなりません。地域には 30 代から 40 代の子育てをされている方々が多く、このような子育て世代がお寺へ集うにはどのような事ができるのか、若者部会で引き続き検討していきたいと思います。

また進捗の様子は随時報告いたしますので、ご関心をお寄せください。

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