レポート
コンセプトをつくる|寺院伴走支援レポート05
寺院伴走支援事業は、これまで「スクール・ナーランダ」で培ったノウハウを活かしつつ、お寺の魅力を最大限に引き出すため、日々お寺の活性化に取り組む当室「若者ご縁づくり部会」の委員が支援を行い、ご住職様をはじめ、寺族・門信徒の皆様と共に企画運営を行います。
これまでのスクール・ナーランダの様子はこちら!
▶︎現代版寺子屋「スクール・ナーランダ vol.1 京都」の様子はこちら
▶︎現代版寺子屋「スクール・ナーランダ vol.6 山口」の様子はこちら
今回は伴走メンバーが正覚寺さまのイベントについてアイデアや企画をプレゼンテーションした様子をレポートします。
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正覚寺さまとの数回の打ち合わせを通じて、これまでのお寺の活動や周辺地域の状況についてお伺いし、現在の課題や将来にわたる不安・展望について寺族・門信徒の皆さまにもヒアリングを行ってまいりました。
一方で、様々な方々からのヒアリングを通して、異なる意見や思いがあり、それぞれの考えが上手く結びつかない様子も見受けられました。
このため、企画の骨子を作り出すために、伴走メンバーはそれぞれが得意とする分野を活かした企画・コンテンツのアイデアを考え、正覚寺の皆さまにプレゼンテーションを行うことにしました。
【条件】
① テーマは伴走メンバーがそれぞれ得意な分野から選び、実現可能な企画案を提示する。
② 発表時間は3分以内とする。
③ 発表方法は自由。
伴走メンバーが行ったプレゼンテーションの概要をダイジェストでご報告いたします。
<霍野>
正覚寺の総代のお孫さんに、大学生ながらオンライン仏壇サービスのアプリケーションを開発した方がおられるそうです。また、正覚寺さんのご子息も現役の大学生とのこと。テクノロジーの急速な発展やAIの台頭の中で、倫理性や人間性はいかに変化していくのでしょうか。そこで、テクノロジーと教育の専門家を招いて、これからの時代に求められる倫理観や人間性について考えてみたいと考えています。
<藤井>
若坊守さんは将来はお寺で学習支援を行いたいとの想いがあることをお聞きしました。「子育て」といっても状況は様々です。出産、引きこもり、勉強についていけない、ふたごやみつごを育てるご家庭など、様々な側面で「子育て」に関わる活動をされている方との対談を企画しました。また、子育て世代の大人の皆さんに、日常の忙しさからちょっと立ち止まり、アートを通して「自己をみつめる」という体験をお寺で提供したいと思います。
<麻田>
正覚寺の住職はスリランカの研究者として著名であり、副住職もシルクロードの研究者として大学で教鞭をとっておられます。しかも、仏舎利もあるという全国でも稀有なお寺です。その希少さを知ってもらえるような、正覚寺さんにはこんな人たちがいるんだという発見をしてもらえるような取り組みにしたい。なので、アジアやシルクロードをテーマにしたイベントが面白いかなと思います。
<安武>
お寺の周辺は新しくマンションや一軒家が建ったりと、かなり流動性の高い場所だと伺いました。近くに住んでいても、そこにお寺があることを知らなかったり、知っていても入ったことがない人も多いかもしれません。そこで、まずはお寺に足を踏み入れてもらえるようなイベントを実施できないかと考え、音楽イベントを中心に据えた内容を提案します。
<舟川>
お寺は高齢者から子どもまで世代を超えた人たちが集える場でもあります。世代を超えて一緒に過ごすことが多いのが食事の時間です。お寺が憩いの場であることのメッセージも込めて、食事をテーマにした企画を考えました。
<根来>
子育て世代に向けた企画をとのご意見を反映し、従来の宗派のスクールナーランダの型式にも沿った内容にしたいと考え、親子で学ぶイベントと親子が離れて学ぶ事ができるイベントを二部構成で「親子で学ぶ寺子屋」を企画しました。今回のテーマは環境✖︎子育て✖︎仏教とし、若者世代も今興味を持っている人が多いであろう育児ライフハックについての学びの場を考えました。
正覚寺の皆さんにプレゼンテーションを聞いていただき、気になったものや懸念点、発表に触発されて新たなアイデアなど、ざっくばらんに意見交換を行いました。
そうしてより鮮明に浮かび上がってきたのがシルクロードというテーマです。仏舎利があり、住職と副住職ともに造詣が深く、正覚寺さんならではの切り口。他のお寺ではなかなか話題に上がってこないテーマです。シルクロードをテーマの中心に据えてイベント内容を検討していくことが決まりました。
あとがき
伴走メンバーが各自得意な分野や、それぞれの閃めきでアイデアを発表し合いました。多様なテーマやアイデア、可能性を聞くなかで、正覚寺さんでやれること、やりたいことの輪郭がくっきりしてきたように感じます。中心となるテーマが定まったことで具体的なコンテンツの内容の議論もより建設的になってくるものと期待します。
また進捗の様子は随時報告いたしますので、ご関心をお寄せください。